発電機マメ知識TRIVIA
2020.12.25
【非常用発電機】の蓄電池(バッテリー)交換 費用 と納期
発電機 非常用発電機 故障 予防 メンテナンス のお役立ち情報を発信
発電機 非常用発電機 は必要最低限のメンテナンスをすれば長くお使いを頂けます。
制御基板の修理や故障予防のメンテナンス、負荷試験、冷却水漏れの対策など
発電機のお役に立つ情報を発信しています。
非常用発電機の蓄電池(バッテリー)交換のおおよその費用
非常用発電機に搭載されている始動用蓄電池(バッテリー)は、電池により異なりますが製造から5~8年を目途に交換時期が訪れます。
蓄電池も消耗品と同じで、使用頻度を問わず経年劣化をします。
経年劣化した蓄電池は、エンジンを始動するための電圧が不足し始動不能の状態になります。
非常用発電機の蓄電池交換費用は
蓄電池1個あたりの単価(@3~7万円)+技術者労務費(2名)+交通費を含む諸経費になります。
蓄電池(バッテリー)本体の単価
非常用発電機に搭載されている蓄電池(バッテリー)ですが、自動車のバッテリーと比べてしまうと高いですよね。
理由の一つには防災型非常用発電機に搭載される蓄電池(バッテリー)は防災認定品が必須であるからです。
防災認定品は、緊急時の過酷な環境下でも蓄電池の始動性が発揮できるかなど、厳しい品質基準が求められます。
非常用発電機の蓄電池は量販店で販売していないため、価格が分かりずらい部分があります。
蓄電池(バッテリー)のおおよその費用は1個あたり30,000~70,000円です。
価格に幅があるのは
- 蓄電池メーカーにより同じ型式でも価格が異なる
- 蓄電池は型式がそれぞれ異なり価格も異なる
- 標準価格と仕切価格が異なるため販売価格が業者により異なる
蓄電池(バッテリー)交換の労務費
自動車の場合はお店にマイカーを持ち込めますが
据付型の非常用発電機は持ち込むことができないため、専門技術者が現地まで伺う形となります。
そのため、蓄電池交換を行う技術者の1日拘束の労務費と交通費が必要です。
非常用発電機の蓄電池(バッテリー)交換は、ただ端子を外して交換するだけではありません。
制御ボックスにある充電器の電圧測定、電圧調整、短絡防止の対策を講じた上での交換施工となります。
蓄電池交換には、試運転調整を行い、異常や不具合兆候がないかの確認を行います。
非常用発電機は始動渋滞やオイル量の異常、水温異常など、自動始動~自動停止をする間、異常を感知したら機器を守るため緊急停止をする機能があります。
普段動かすことがない非常用発電機は、警報装置の異常をユーザー様が確認できないため、点検整備をする際にはメンテナンスの一環で行います。
これらの試験結果、不具合可否、異常があった場合の対策整備への見積もり作成と報告書作成の費用が加わります。
専門技術のない人が蓄電池交換をすると・・・
非常用発電機の蓄電池(バッテリー)交換は車と異なります。
バッテリー端子を触る前に配線を外さなければいけない部分もあり、それを怠ると
短絡事故が発生し、制御基板や充電器基板の重故障を起こします。
非常用発電機の蓄電池交換には、正しい手順とダブルチェックを行い慎重な作業工程が求められます。
短絡事故が起きてしまい、制御基板の損傷に至ってもユーザーは原因追及が出来ないため、泣き寝入りのリスクもあります。
価格だけではなく、品質も重視して業者選定を行うことをお勧めします。
蓄電池(バッテリー)の役割
非常用発電機についている蓄電池(バッテリー)
その用途は、セルモーターを動かし非常用発電機を始動させる役割を担います。
車の始動用バッテリーと同じ役割です。
非常用発電機は、普段動かす機会がないのが他の機器と異なる最大の特徴です。
ユーザーが蓄電池の電圧不足や交換時期を把握することは難しく
そのため電気事業法では非常用発電機も電気工作物に含まれ、電気主任技術者が定期的に確認を行います。
蓄電池の交換時期を超過すると
蓄電池(バッテリー)の交換時期を超過していると、ある日突然エンジンが始動できな状態になっている事もよくあります。
緊急の災害時にエンジン始動も出来ず、動かせない状態になると
消火栓ポンプやスプリンクラー等の防災用負荷の電源がとれない=二次災害リスクを招く事態になります。
蓄電池(バッテリー)交換を終えるまでは
電圧不足によるエンジン始動ができない状態にあるため、停電時や火災時にも稼働できず、この間は非常に危険な期間が生じます。
非常用発電機搭載の蓄電池(バッテリー)は受注生産
カー用品のように店頭で簡単に入手できるものではなく、個別に専門業者への発注を要します。
蓄電池は発注後生産する受注生産方式です。
メーカーや型式により納期は異なりますが目安納期は1.5~6か月です。
蓄電池(バッテリー)不良のリスク
防災用蓄電池は受注生産になりますので、いざ蓄電池の電圧不足によりエンジン始動できない状態と気づいた時に
すぐに復旧できない期間が生まれるリスクがあります。
人命へのリスク
病院や特養施設では、防災設備の他に医療機器に繋がる赤コンセントやオペ室への電源供給が停電時には出来ない事態が生じます。
資産保護へのリスク
一般用非常電源では、5~30分の停電復旧が遅れると数億円単位の損害に重大な影響が出る産業も多数あります。
災害による納期遅延のリスク
毎年のように台風や大雨による被害の甚大化の中
蓄電池の納期は災害後は1.5~2倍の納期に遅れが生じる場合もあります。
2019年の台風15,19号の襲来では、蓄電池納期が通常の倍以上を要した事例もあります。
蓄電池(バッテリー)交換時期の目安
蓄電池の型によりますが、交換時期の目安は
- HS型蓄電池は5~6年を目途に交換が必要です。
- REH型蓄電池は4~6年の交換推奨となります。
- MS型蓄電池は8年を目安に交換です。
電池(バッテリー)は使用環境により耐用年数に違いが出ます
寒暖差の大きい地域や非常用発電機の外箱(パッケージ)に熱がこもりやすい場所はバッテリーにとって過酷な状況が続きます。
蓄電池の期待寿命は想定より早めと考えておくことが無難です。
非常用発電機の年次点検時に電圧不足の兆候が計測されましたら、早期の蓄電池(バッテリー)発注をご計画しておくことをお勧めします。
防災用途以外でも使われる非常用発電機
非常用発電機は防災用途だけではなく
停電を感知すると自動起動し、復電すると自動停止をする制御機能が備わっていることから
- 病院でも医療用機器のバックアップ電源
- 鉄鋼やガラス加工工場では溶鉱炉のバックアップ用
- 鶏舎など停電時に換気ファンの空調管理
- 養鰻・養魚場での酸素供給
- 半導体工場での生産設備バックアップ電源
人命や資産を守るためのバックアップ電源としても非常用発電機は活用されます。
補助金により進む非常用発電機の設置
近年では、災害による長期間の停電も想定し
物流倉庫やオフィスビル、避難所認定先、特別養護老人ホームなど
様々な業態でBCP(Business continuity planning)目的での設置も進んでいます。
台風や大雨災害が甚大化することを現実的に捉え
BCPでの非常用発電機導入は国も補助金を出してバックアップをしています。
劣化した蓄電池を交換しない事での周辺機器への悪影響
過流電による充電器の故障
非常用発電機の蓄電池(バッテリー)交換時期を大幅に超過したままの完全放電状態や蓄電機能が落ちた蓄電池をそのままにしておくと
充電器(蓄電池に電気を送る電装部品)が過流電を起し故障する場合があります。
ロジエイティブの蓄電池(バッテリー)交換は充電器の電圧調整も交換作業と同時に行います。
蓄電池の寿命を延ばすため充電圧を調整しています。
充電器の役割は、その名前の通り、蓄電池(バッテリー)が上がらないように商用電源から蓄電池に充電をしています。
充電器の不良は制御基板にも影響を与えます
劣化した蓄電池に充電を送るため、過流電を続けている状態は更に制御基板(メイン基板)と呼ばれる重要機器にも悪影響を与えます。
非常用発電機の充電器とは、制御基板と近い場所に位置し繋がっています。
非常用発電機の制御基板の役割
制御基板は、停電感知による自動起動~復電後の自動停止をはじめ人間の体に例えると頭脳の役割を担っています。
しかし、この部品は非常用発電機のために専用設計で作られています。
エンジンのように他の産業にも流用しているエンジン部品とはことなり、非常用発電機の現行シリーズ(型式)が次期モデルへと移行をすると数年後あたりで生産が終了を迎えます。
非常用発電機の制御基板と同様に充電器も専用品が使われています。
生産終了を迎えると修理できない事態に
まだ高額でも部品代で終えられれば交換で済みますが
生産終了になると、修復できないか、基板修理により多くの時間と費用を要する形となってしまいます。
そのため、消耗部品の劣化は放置をせず、部品の期待寿命を超えない形での
予防保全整備をお勧めします。
生産終了モデルの制御基板の修理も当社では行っています。
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