発電機マメ知識TRIVIA
2021.01.20
非常用発電機の納期とコロナの影響
非常用発電機の通常納期
非常用発電機は受注生産品になるため、ご発注から納品までは通常3か月になります。
季節変動としては、年度末に納品が重なるため、12月あたりから想定納期が延びる傾向にあります。
広い範囲で自然災害(台風や大雨浸水)が起きた場合には、発電機の故障や入れ替え需要が集中するため
非常用発電機の納期に大きな影響を与えます。
非常用発電機の納期とコロナが与える影響
終息や蔓延が予測しずらいコロナは、非常用発電機を作る工場はもとより
構成部品を供給するメーカー工場、部品工場のどこかでクラスターや濃厚接触者が多数に上る場面が
万一発生をしますと非常用発電機の納期に影響が出ます。
非常用発電機は多くの部品メーカーから構成されています
非常用発電機は、エンジンだけでも多くの部品が使われています。
制御や発電機も同様です。
非常用発電機はパッケージ・発電機・エンジンその他部品を含め多くのメーカー供給の部品により製品化されています。
例えばニシハツ(西日本発電機)のPX-180ESRのエンジンはいすづ製です。
エンジンは日本製でも、フィルターや補器類、センサーなど細かな部品は中国や海外拠点から調達している場合もあり、世界的にコロナがまん延している状況下では、代替品の調達にも支障が生じます。
ひとつでも部品供給が滞ると生産ラインが止まります。
現段階では予め発電機メーカーが注文確保をしている分でまかなっていますが、コロナによる影響が長引くにつれて、次第に新規受注に対しての納期回答が読めなくなっていきます。
経済活動再開後に非常用発電機の発注タイミングが重複
経済活動が平時に戻ると同時に、人モノの流れが回復していきますと、延期されていた発電機の更新案件や新規工事の注文が同じタイミングで入ることが想定されます。
非常用発電機は一定の需要がありますが、小さな市場であるため、需給に合わせた生産能力増強の大きな変化は考えずらい環境です。
昨今の台風や大雨による洪水被害や非常用発電機メーカーの撤退により、既存の非常用発電機メーカーにしわ寄せがいった結果、通常納期の2倍以上を要しています。
非常用発電機の納期が延びることによる影響
新築の施設
特別養護老人ホーム(特養)や複合施設など、非常用発電機の設置が義務付けられている施設では
オープンまでに非常用発電機設置が間に合わない事態が起こります。
医療施設・病院
既に非常用発電機が設置されている病院や医療施設において、老朽化した非常用発電機をご使用の場合、重大な故障が生じる前に更新計画を進めていくことが求められます。
20~30年を経過した非常用発電機は、制御部品をはじめ補修部品の生産が終了を迎えていることから、これらに該当する箇所の故障が生じた場合には、多大な修理費用または修理が出来ないリスクを抱えます。
重故障が生じた後に、更新を計画しても、納期が大幅に遅れている場合には
非常用発電機が稼働できない期間が生じます。
その他にも
非常用発電機の納期が大きく変わることで、お客様によっては更新計画に大きな修正を要するケースも出てきます。
経済活動が平時に戻る過程で、延期していた非常用発電機の計画が動いてきます。
時間が経過するほど、重複タイミングによる納期の遅れが出てきます。
非常用発電機のご発注は通常納期の3か月より長く掛かる想定でご計画をお勧めします。
非常用発電機の蓄電池(バッテリー)も納期に影響を受けます
非常用発電機に搭載されている始動用蓄電池(バッテリー)も同じく受注生産品です。
年度末や注文が重なると、納期が少しづつ延びていきます。
始動用蓄電池の通常納期は45~60日です。
年に一度の点検メンテナンスでリスク回避ができます
始動用蓄電池の電圧不足や、オイル漏れ、始動不能など
非常用発電機は毎日動かしていないため、設備点検時に予期せぬタイミングで故障が発覚します。
故障発覚後の修理対応には、メーカーの都合に合わせるか、修理の専門業者を探すなど時間と手間を要します。
繁忙期には、直ぐの対応が難しい場面もあります。
このリスクを回避するには、年に一度の点検とメンテナンスを行うことで予期せぬ故障発生を最小限にできます。
専門業者は点検時に搭載蓄電池の電圧を計測し、寿命が近いなど蓄電池の交換時期を共有することができます。
専門業者による消耗品(オイル・冷却水・ホース・ベルト類など)を適宜交換整備をすることで
費用の平準化を図れます。