発電機マメ知識TRIVIA
2025.04.21
発電機 非常用発電機 点検 法令 義務 種類 について解説
非常用発電機 点検 法令 義務 とは？
非常用発電機は設置用途により、点検と報告の義務があります
なぜ非常用発電機には1つの設備に対して電気保安協会や防災設備会社の点検があるのか？その答えは
非常用発電機は、電気事業法、建築基準法、消防法の3つの法律が関連する設備だからです
そのため各法令に基づく点検と報告義務が生じます
各法令について解説をします
設置用途とは
防災用として設置が義務付けられているものと
ＢＣＰ用途（事業継続のための停電バックアップ対策）に大きく分かれます
非常用発電機 点検 電気事業法
電気事業法では
10kw以上の設置型発電機には
電気工作物として保安規定を届出します
点検できる資格は専任された電気主任技術者になります
設置用途を問わず、上記の10ｋｗ以上の発電機は、電気事業法では電気工作物として
保安規定に定めた点検報告が義務付けられています
非常用発電機 点検 建築基準法
建築基準法では、特定行政庁が定める建物に対して点検の実施義務が生じます
設置されている非常用発電機に加えての、建物全体を対象とする性質上
非常用発電機に繋がっている非常用照明の異常可否、蓄電池の点検も点検の対象となります
非常用発電機 点検 消防法
消防法では
防災用途として設置をしている非常用発電機には
機器点検及び総合点検に加え、負荷試験または内部監察等の実施と報告義務があります
発電機 非常用発電機 点検 周期
各法令により点検周期は異なります
非常用発電機 点検 周期 電気事業法
電気事業法では
月次と年次の2種類です
実施するのは契約している電気主任技術者が行います
非常用発電機 電気事業法 月次点検
発電機の始動確認、目視による異常がないか
非常用発電機 電気事業法 年次点検
自動起動・自動停止機能の確認
接続、内部抵抗値の測定
部品の接続箇所、地面との接地面、接続部分の緩みがないか
始動用蓄電池の液漏れなどの異常がないか
非常用発電機 点検 周期 建築基準法
建築基準法では
おおむね6か月～1年に1回の実施と報告です
非常用発電機 点検 周期 消防法
消防法では機器点検と総合点検の年2回の点検があります
非常用発電機 点検 機器点検（6か月に1回）
設置状況、運転性能、停止性能
蓄電池の正常可否、性能点検
油脂類、ガス、空気漏れ、異音、異臭の確認
冷却水、燃料、オイルの量、汚れの確認
計器類の正常確認
非常用発電機 点検 総合点検（1年に1回）
設置抵抗、絶縁抵抗、接続部確認
始動装置の性能試験、保護装置の性能試験
切替器の性能試験
消防法は点検に加えて、総合点検では予防保全や負荷試験または内部監察等の実施義務が加わります
非常用発電機 予防保全とは
非常用発電機を良好な機器状態に保つため、経年劣化する消耗部品を故障予防のため
交換整備をする目的にて行います
負荷試験とは、実負荷試験と模擬負荷試験の2つに分かれます
どちらの試験も
非常用発電機の発電性能を客観的に評価するための試験になります
電気設備点検では、無負荷運転による試運転確認のみです
エンジンが起動することと、発電性能が保持されていることは同じではないので
負荷試験を用いて
非常用発電機 実負荷試験 とは
非常用発電機と接続されている負荷を、発電機の電源で起動させて発電性能に支障がないかを確認します
メリットは、接続されている負荷の動作確認も同時に実施できます
デメリットは、施設の停電などが必要になるケースもあり、事前の準備やテナントへの不便を強いる負担があります
非常用発電機 模擬負荷試験 とは
非常用発電機の二次側（出力側）と模擬負荷試験器をつなぎ込み、発電性能を計測します
模擬負荷試験器とは、発電機から出る発電エネルギーを熱に変換させて放出をします
メリットは、停電の必要がないため、最小限の準備と建物の運営に支障は生じません
デメリットは、試験の性質上、接続している負荷の動作確認はできないため、分けて行う必要があります
非常用発電機 内部監察等 点検 とは
過給器コンプレッサ翼及びタービン翼や排気管等の内部を観察
燃料噴射弁等の動作確認
シリンダ摺動面の内部監察
オイル・冷却水の成分分析
上記の項目を確認します
模擬負荷試験は30分から1時間の運転データを計測します
周辺環境などの事情によりそれが実施できない環境下では、内部監察等の依頼を頂くケースもあります
また高圧の非常用発電機の場合、設置環境によっては内部監察等を実施する方が
費用を抑えられるケースもあります
非常用発電機 負荷試験（または内部監察等）免除 されるケースとは？
負荷試験を実施した翌年以降、メーカーが指定する推奨交換年内の予防保全を実施に限り
最大6年間の実施猶予が認められます
具体的には、オイルやフィルター、冷却水、ホースやVベルトなど
使用頻度を問わず経年劣化する消耗品や、期待寿命のある構成部品の交換になります
非常用発電機 点検 義務 防災用 と BCP用
非常用発電機の点検と報告義務があるのは
防災用用途で設置した非常用発電機では、電気事業法、建築基準法、消防法が関係します
BCP用（事業継続用）で設置した非常用発電機では、10kw以上の据付型発電機には電気事業法が関係します
防災用途で設置した非常用発電機とは
消火栓ポンプやスプリンクラー、非常用コンセントなど、防災設備に接続している非常用発電機になります
BCP（事業継続用）で設置した非常用発電機とは
停電時に生産や営業活動に重大な支障が生じる場合に備えて、バックアップ電源を設置している非常用発電機になります
防災設備が接続されていない事が条件です
メーカー 推奨 定期点検
メーカー各社により頻度は若干の違いがあります
点検だけではカバーできない消耗品交換のメンテナンスがC点検以降は含まれます
非常用発電機は、普段使っていないから機器の劣化が進行していないのではなく
普段使っていないからこそ、消耗品の経年劣化が進行しやすくなります
点検にメンテナンスを加えることで、故障抑制に投じる費用対効果は高くなります
非常用発電機 点検 A点検
2か月に1度、日常的に行う点検です
燃料、オイル、冷却水量の確認
無負荷試験運転を行い、起動や計器類に異常がないか等を確認します
日常点検によって、非常時に発電機が作動しないといった基本的なトラブルを防ぎます
ただし、部品の劣化や内部故障などのリスクまではカバーできません
非常用発電機 点検 B点検
6か月に1回
外観点検を中心に行います
A点検の内容に加え、外観確認（漏れ、錆び、劣化確認）各種増し締め
バッテリー点検 他
B点検では、機器に故障や破損がないかを確認できます
ただし、外観の確認だけでは、故障や破損の予兆を見つけるのは難しく
実際に壊れている、故障している箇所がないかを調べる目的になります
非常用発電機 点検 C点検
1年に1度
消耗品を一部交換する予防保全点検です
A、B点検に加え、オイル、各フィルター、冷却水交換
制御盤計器の点検、接地・絶縁抵抗測定 他
C点検を行うことで、エンジンや発電機の故障を予防し、寿命を延ばすことができます
C点検では、オイルや冷却水の消耗品交換が含まれており
これらの消耗品が劣化する前の交換整備が、トラブルの未然防止や機器の延命に繋がります
故障を抑止するためにも、毎年の定期的な点検をお勧めします
非常用発電機 点検 D点検
2年に1度
簡易オーバーホール整備になります
A、B、C点検に加え、燃料噴射時期・燃料弁噴霧点検調整
燃料噴射弁分解 他
D点検では、外観だけでは発見できない不具合を未然に防ぐことができます
エンジン内部の各部品は、経年劣化により歪みや酸化などが進行し
それが原因で始動不良や動作不安定になるリスクがあります
D点検では、こうした劣化の兆候を確認し、トラブルを未然に防ぐことができます
非常用発電機 点検 E点検
4年に1度
オーバーホール整備になります
A、B、C、D点検に加え、燃料フィードポンプ・弁腕注油ポンプ分解点検
シリンダーヘッド等分解点検 他
E点検以降は、オーバーホール（分解整備）が中心となります
非常用発電機 点検 F点検
8年に1度
オーバーホール整備に加え、パッキン、メタル等の交換をします
A～Eの点検に加え、エンジンの分解整備及び清掃
パッキン、ガスケット、メタル類をすべて交換します
非常用発電機 耐用年数 故障 修理費用
非常用発電機は故障が発覚してからでは、手遅れになるケースも多数
非常用発電機の設計寿命は約25年前後です
ただし、設置後に点検のみで何もメンテナンスを入れていないと
故障頻度をコントロールできず、機器寿命を縮める結果になります
国土交通省が示す営繕モデルでは35年とありますが
これは毎年、予防保全をしっかりと実施し、エンジン整備だけではなく
電装系の部品交換までカバーをした場合の最長ケースです
非常用発電機も年数を経過しますと
モデルチェンジや搭載されるエンジンのラインナップも変わります
重故障が発覚したとき、すでに廃盤モデルで
部品入手ができず修理不能となる場合には、予期せぬタイミングで
更新の予算を組まなければならなくなります
非常用発電機 運用 サポートします
弊社のメンテナンスサポートでは
どのタイミングで部品入手が困難になるか
またそのタイミングに合わせて、機器寿命を延ばすための事前準備を
お客様と共有してメンテナンス計画に反映します
適正な点検・メンテナンスの運用についての
疑問点や相談お気軽にお声下さい
わかりやすくをモットーにご案内します
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