発電機マメ知識TRIVIA
2026.09.25
築40年・50年のビルでも非常用発電機は更新できます|再生建築・既存ビルの発電機更新
- 消防法
- 更新 入れ替え
建物を壊さず再生する。非常用発電機も、建物を壊さず更新する。
築40年、50年、60年を迎えるビル。
建物を解体して建て替えるだけではなく、既存の躯体や建物の特徴を活かしながら改修し、新たな価値を持たせて使い続ける「再生建築」という選択があります。
しかし、建物を長く使い続けるためには、建築部分だけでなく、建物の中に設置されている設備についても考えなければなりません。
その一つが、非常用発電機です。
築年数の長いビルでは、非常用発電機も設置から長期間が経過しているケースが多く、定期点検をきっかけに、
「メーカーから修理できないと言われた」
「交換したいが、新しい発電機を搬入できない」
「地下の発電機室から既設機を搬出できない」
「現在の消防法に合わせて、どの容量を選定すればよいのかわからない」
といった問題が表面化することがあります。
しかし、通常の方法で搬出入できないからといって、非常用発電機の更新を諦めなければならないとは限りません。
株式会社ロジエイティブでは、既存建物の条件に合わせて、出力確認・消防協議・機種選定・搬出入計画・分解搬出入・現地組立・付帯設備工事・試運転までを含め、非常用発電機をどのように更新するかを検討します。

古いビルほど、非常用発電機の更新が難しくなる理由
1.発電機が古く、修理できない
非常用発電機は、設置から長期間が経過すると、エンジン本体だけでなく、制御基板・AVR・充電器・電装部品などの補修部品が供給終了となっている場合があります。
定期点検で不具合を指摘され、メーカーや管理会社へ修理を相談したものの、
「部品の供給が終了している」
「メーカーで修理対応ができない」
といった理由から、発電機そのものの更新を検討しなければならないケースがあります。
非常用発電機を修理するか更新するかの判断については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
2.既設発電機と同じ容量を選べばよいとは限らない
防災用の非常用発電設備を更新する場合、既設発電機の銘板に記載されている容量だけを見て、新しい発電機の容量を決めるものではありません。
現在接続されている消防用設備等の負荷条件を確認し、必要となる発電機出力を算定したうえで機種を選定します。
そのため、既設発電機の容量と、現在必要となる算定出力が一致しない場合があります。
2026年4月16日付の消防庁通知「消防予第159号」では、自家発電設備の出力について、消防用設備等の負荷出力合計を基礎として発電機・原動機の出力を算定し、適切な組み合わせを選定する考え方が示されています。
そのため更新計画では、発電機本体の選定だけではなく、必要出力の確認と所轄消防との事前協議が重要になります。
3.必要な発電機が決まっても、建物と搬入経路は大きくならない
必要な発電機の容量や機種が決まっても、築年数の長いビルでは、もう一つ大きな問題があります。
発電機を設置する建物や搬入経路は、建設当時のままです。
地下の機械室、狭い階段、扉の開口寸法、曲がり角、天井高さなどの条件によっては、完成した状態の発電機をそのまま搬出・搬入することができません。
建物を建設した当時は、建築工事の途中で発電機を搬入できた場合でも、建物が完成した後の更新工事では、同じ搬入方法が使えるとは限りません。
特に再生建築や既存ビルの大規模改修では、「必要な発電機を選定できること」と「実際にその発電機を建物内へ搬入し、設置できること」は別の問題として考える必要があります。

搬入できない場合は「分解搬入」という方法があります
完成した状態の非常用発電機を搬入できない場合でも、建物の条件に合わせて発電機を分解し、搬入後に設置場所で再組立する方法を検討できます。
ただし、単純に発電機を小さく分ければよいわけではありません。
発電機の構造、各部品の重量、搬入経路、揚重方法、再組立後の精度などを確認したうえで、どこまで分解するのか、どのような方法で搬出入するのかを事前に計画する必要があります。
ロジエイティブでは、現場条件に応じて専門技術者による分解・搬出入・現地組立を含めた更新方法を検討します。
狭い搬入経路に合わせて発電機を一部分解し、更新した施工事例もご紹介しています。

「地下機械室へ非常用発電機を分解搬入するための揚重作業」

「狭い搬入経路で行う非常用発電機の分解搬入」
完成状態では通過できない搬入経路でも、発電機を分解し、現場条件に合わせた揚重・搬出入方法を計画することで更新できる場合があります。

「分解した非常用発電機の重量部品の組付け作業」
重量のある主要部品についても、重量・寸法・搬入経路を確認しながら搬出入します。

「現地組立に対応した分割式冷却水槽」
発電機本体だけでなく、煙道・冷却水配管などの改修も必要です
非常用発電機を屋内で更新する場合、発電機本体を入れ替えるだけでは工事は完了しません。
新しい発電機の仕様や設置位置に合わせて、煙道(排気管)・冷却水配管などの付帯設備についても改修が必要になります。
特に築年数の長いビルでは、発電機室内に既存の配管やダクト、電気設備などが密集していることも多く、新設発電機との取り合いや施工スペースを確認しながら工事方法を検討する必要があります。
このため、既存ビルの非常用発電機更新では、
「新しい発電機が設置スペースに収まるか」だけではなく、「発電設備全体として更新工事が成立するか」
を事前に確認することが重要です。

新設発電機に合わせた煙道(排気管)の現場改修

既存設備が密集する発電機室内での煙道・付帯設備改修
ロジエイティブでは、更新できる方法を工事前から検討します
既存ビルの非常用発電機更新では、発電機本体だけを見て更新方法を決めることはできません。
建物の条件、現在の消防用設備等の負荷、発電機室、搬入経路、既存の煙道・冷却水・燃料・電気設備などを確認し、「この建物で、どうすれば非常用発電機の更新を成立させられるか」を工事前から検討することが重要です。
ロジエイティブでは、現場条件に応じて次のような流れで更新計画を進めます。
現状確認・資料確認
↓
必要出力の確認・出力算定
↓
所轄消防との事前協議
↓
発電機の機種選定
↓
搬出入方法・分解範囲の検討
↓
既設発電機の搬出
↓
新設発電機の搬入・現地組立
↓
煙道・冷却水・燃料・電気等の付帯設備工事
↓
試運転・動作確認
なお、すべてのご相談で最初から現地調査を行うわけではありません。
まずは既設発電機の仕様、図面、写真、現在指摘されている不具合、建物や搬入経路など、事前に確認できる情報から更新方法を検討します。
このようなご相談を実際にいただいています
ビルオーナー様からのご相談
定期点検などで非常用発電機の老朽化や不具合を指摘され、メーカーや管理会社へ修理を依頼したものの、部品供給終了や修理対応が難しいことから、別の方法を探してロジエイティブへご相談いただくケースがあります。
「建物はこれからも使用したいが、この古い発電機をどうすればよいのかわからない」という段階からご相談いただいています。
ビル管理会社様からのご相談
管理しているビルの非常用発電機について、オーナー様から修理や更新を求められ、既設機の老朽化、搬入経路、発電機室のスペース、消防対応などを含めて更新方法を検討したいというご相談をいただいています。
発電機本体の入れ替えだけでは解決できない場合には、既存建物の条件を確認しながら更新工事全体の成立性を検討します。
設計事務所・建築関係者様からのご相談
既存ビルの改修・再生計画に伴って非常用発電機の更新が必要となり、メーカー等へ相談したものの、既存の発電機室や搬入経路などの制約から通常の更新方法では対応が難しく、別の施工方法を探してご相談いただくケースがあります。
必要出力、機種選定、搬出入方法、付帯設備などを確認し、建築・設備計画の中で非常用発電機の更新をどのように成立させるかを検討します。
同じような状況でお困りの場合は、まず資料・写真からご相談ください
非常用発電機の更新について、「まず現地を見てもらわないと相談できない」とお考えいただく必要はありません。
お手元にある資料や写真から、確認できることがあります。
ご相談の際には、可能な範囲で次の資料・情報をお送りください。
・既設非常用発電機の銘板写真
・発電機本体・発電機室全体の写真
・発電機室の入口や搬入経路の写真
・既設設備の図面、出力計算書など
・定期点検等で指摘されている不具合の内容
・建物所在地
・建物の改修・再生計画がある場合は、その概要
すべて揃っていなくても構いません。
まず確認できる情報から、修理を検討できるのか、更新が必要なのか、更新する場合にどのような確認や検討が必要になるのかを整理します。
建物を壊さず再生する。
非常用発電機も、建物を壊さず更新する。
建物の条件によって更新方法は異なります。
「搬入できない」「メーカーで対応できない」という理由だけで更新を諦める前に、既存建物の条件に合わせた方法を検討します。

