発電機マメ知識TRIVIA
2020.12.25
燃料も定期的に交換しないと発電機本体への故障原因になります
非常用発電機の燃料(軽油)は腐る?

変質した軽油
オイル交換、冷却水交換、蓄電池交換など
非常用発電機は、普段動かしていなくとも、自動車と同じように
消耗部品は定期的に交換が必須です。
オイルや冷却水と同様、燃料も品質劣化をし長期間未交換のままにすると
燃焼不良により白煙や黒煙が止まらなくなるなどの異常症状を引き起こします。

排気色に異常のある非常用発電機
適正なタイミングで消耗部品を交換しないと
非常時に動かないのはもとより、劣化した部品は周辺機器の摩耗を早め
問題が顕在化(故障発生)した時には想定外の費用になります。
劣化燃料が招く周辺機器の故障
燃料タンク内部の錆腐食
品質劣化した軽油は成分の変質によりタンク内に水分が付着します。
非常用発電機は、点検時以外はほとんど動かすことがなくタンク内の水分がそのまま錆を引き起こします。
燃料噴射ノズルの破損
品質劣化をした軽油は未燃焼や燃焼効率の悪化を招きます。
そのまま劣化した燃料の使用を続けると燃料噴射ノズルの詰まりなど二次被害をもたらします。
燃料噴射ポンプの固着
非常用発電機の性質上、普段動かすことが少ないため、劣化燃料が噴射ポンプに残った状態により、内部で固着してしまいます。
固着をしてしまうと、ユニットごと取り外して分解整備をしなければならなくなります。
これら周辺機器の破損は非常用発電機の始動が出来なくなるほかに
部品代だけでも数万円~数十万円の費用が生じます。
長期間交換していない軽油の比較

左が新しい軽油 右が経年劣化により品質変化した軽油
写真では伝わりませんが、右の長期未交換の軽油は臭いもすっぱくなっており酸化が進んでいます。
非常用発電機は燃料が空になるまで動かすことは普段の点検では起こりません。
そのままにしてしまい、気にされなくなってしまうのが燃料(軽油)の交換です。
実は、燃料(軽油)も定期的に交換しないと品質は劣化します。
非常用発電機の燃料(軽油)交換の時期
石油連盟の推奨では、密閉保管した軽油でも6か月で交換をとしています。
酸化が進んだ軽油は、燃焼不良を引き起こすことがその他の不具合を誘発します。
弊社としましては、年に一度の点検時に燃料の劣化を確認のもと
少なくとも6年以内には全量交換をお勧めします。
長い間、継ぎ足しで燃料補給をしている場合でも、不具合要因を取り除けないため
必ず全量交換をお勧めします。