発電機マメ知識TRIVIA
2022.01.25
発電機の耐用年数を長持ちさせるには
非常用発電機の耐用年数
非常用発電機の法定耐用年数は15年
国土交通省管轄の営繕所基準は30年
法定耐用年数とは、簿価上で減価償却が認められる年数です
営繕所基準は、国土交通省が管理している施設や建物を参考に修繕しながら使い続けられる年数を表します
非常用発電機の耐用年数を延ばすことはできる
建物に設置されている非常用発電機は
建設当初から設置されているため、場所によっては更新工事がとても難儀な場合もよくあります。
地下2Fだったり、都市部では周辺にクレーン設置が難しい密集地にあったりします。
このような場所にあると
搬入出費用の他に、分解して搬入出や納入後に組立をするコストも上乗せされるため、更新工事の総額が高くなります。
非常用発電機の耐用年数(寿命)を延ばすことは、発生する費用の圧縮へ大きく貢献します。
非常用発電機の耐用年数(寿命)を延ばすには、故障リスクを抑制することに尽きます。
設備点検とメンテナンスの誤解
非常用発電機の故障リスクを抑制するためには、メンテナンス計画の策定が必須です。
よくある誤解として、電気設備点検や防災設備点検をしているのでうちは大丈夫じゃないの?との声を頂きますが
設備点検の目的は【現段階で故障をしていないかの確認】です。
マイカーに例えますと、月次点検や車検になります。
設備点検のみの状態は、一度もオイル交換をしないままマイカーに乗り続けている状態です。
メンテナンスとは、点検と同時にオイル交換や冷却水交換など、消耗品を交換整備することも含めた作業です。
普段使っていない非常用発電機でも故障します

変色した冷却水
もうひとつのよくある誤解は
これまでまったく使っていないので「うちの発電機は新品同様」と認識されている事例です。
普段使いされているマイカーと同様、使用頻度の少ない非常用発電機でもオイル交換をしなければ「故障」します。
マイカーもタイヤのついていない非常用発電機も、エンジンを搭載している同じ機械です。
機械は定期的に動かしている方が調子がよく、不具合の兆候も早く確認できます。
非常用発電機の場合は、普段動かすことがないため、不具合の兆候が見つかる前に「故障」してしまうケースがあります。
オイルや冷却水は時間の経過とともに品質変化をします。
ラジエーターに注入している冷却水はロングライフクーラント(LLC)といって
不凍液のほか防錆・防腐の薬剤が入っています。
経年劣化により防錆・防腐効果が失われたLLCはラジエーター内部の腐食を進行させていきます。
故障の主な原因は、消耗品を長期間交換しないことで周辺機器への影響が生じた結果です。
非常用発電機を長く安心してお使い頂くため
消耗品を定期的に交換する計画を、弊社ではお客様の機器状態に合わせて策定します。
故障リスクを抑制するメンテナンスプランとは
消耗品の寿命に合わせてメンテナンスの計画をします。
一度に全部を交換整備するよりも、優先箇所を絞り適正内容と予算の中で費用対効果の高いプランニングをします。
例えば
1年目はオイル系統
2年目は冷却系統
3年目は燃料系統
4年目は蓄電池
など
毎年、点検とメンテナンス整備を実施することで重大な故障の発生を抑制し
不具合兆候があった場合にも早く対処ができます。
壊れてからの修理と定期的にメンテナンスはどちらが支出増?
単純比較として
10年間、まったくメンテナンスをしていない結果、重大な故障が起き修理に200万円が発生した場合と
毎年10年間、メンテナンスをした場合の総額1年20万円×10年=200万円
一見すると同じ支出です。
前者は見積もり金額には表せないリスクがあります。
一つ目のリスクは
点検時に重大な故障が発覚したタイミングよりもっと前より「正常運転」ができなかった期間があります。
非常用発電機が動かなければ困る状況の時に、正常運転ができなければ人命や資産を守るためのバックアップ電源が
供給できない状況だったと考えられます。
二つ目のリスクは
補修部品の供給期間が終了してしまっている問題です。
故障個所によっては、部品共有が終了しているものも出てきます。
この場合には、修理が不可能になってしまい、更新のみの選択となります。
非常用発電機の耐用年数を延ばすためのお手伝いをします
非常用発電機の耐用年数を延ばすには
①故障発生のリスクを最小化する
②部品供給の期間を把握し、終了前に確保する
弊社では、お客様の機器状態とご要望を伺い
お客様に合わせたメンテナンスプランを作成しご案内をします。