発電機マメ知識TRIVIA
2018.02.08
非常用発電機が止まらない原因
発電機 非常用発電機 メンテナンス 故障 予防 のお役立ち情報を発信
発電機 非常用発電機 は必要最低限のメンテナンスをすれば長くお使いを頂けます。
制御基板の修理や故障予防のメンテナンス、負荷試験、冷却水漏れの対策など
発電機のお役に立つ情報を発信しています。
発電機が止まらない要因で可能性の高いもの
停電時のバックアップ電源として活用する非常用発電機ですが
弊社によくあるご相談の中に、先日の停電で非常用発電機は自動運転でエンジン始動したのだが、停電復旧後も発電機が止まらない。
「故障と思われるが何が原因か」
可能性が高いものとして
自動制御または燃料カット機構(停止ソレノイド)があります。
非常用発電機は停電を感知すると、制御を介して自動起動(自分でエンジン始動し発電を行う)します。
停電中でも電力を供給しなければならない「設備」や火災時に人命を守るための「防災」用途として、非常時の電源供給を行います。
そのため、復電(停電が解消)されますと、同じように制御を介して自動停止します。
自動停止が出来ない状態では
燃料切れまで発電機が動いてしまうだけではなく
例えば水温上昇など機器の異常を感知して停止する機能まで故障により失われている場合には
発電機からの発火などの二次災害が発生してしまいます。
自動起動できない、自動停止しない故障の症状がある場合には
すぐに修理を依頼するようお願いします。
今回は停止ソレノイドの不具合によるエンジンが止まらない事例についてご説明します。
停止ソレノイドとは
エンジンを停止させる装置になります。
非常用発電機の場合、停電(商用電源が来ない状態)を感知しますと自動的にエンジン始動のもと
発電を行い負荷機器へ(発電機に接続されている動力源)電力を供給します。
復電しますと再度停電しないか一定時間待機運転をして、エンジン停止~商用電源への自動切り替えが行われます。
エンジンを止めるためにエンジンへの燃料供給を停止ソレノイドによりカットさせることで停止する仕組みです。
非常用発電機が手動モード(試験モード)の時は
停止スイッチを起動したときに連動して作動します。
自動モードの時は
停電後に非常用発電機始動~復電時には所定の待機運転後、停止に入ります。
不具合が生じると
停止ソレノイドが正しく作動せず(元の位置へ戻らないなど)、エンジンへの燃料カットが出来ていないために
始動後の自動停止が出来ない状態になります。
不具合の兆候としましては
停止ソレノイド自体の動き方がぎこちなくなる、速度に波が出るなど
スムーズに動かなくなる場合には停止ソレノイド自体をアッセンプリー交換により交換修理をします。
発電機を止める停止ソレノイドの点検頻度
目視しやすい場所にあるため、年次点検はもとより、月次点検や半年点検時の試運転時に目視にて点検が可能です。
運転停止後に停止ソレノイドが起動した際、ぎこちなさや、ヨレヨレした動き方の傾向が見られたら要注意です。
テスターでは動力電圧が正しく来ているかも確認します。
停止ソレノイドの期待寿命(部品の寿命)
運転時に負荷が掛かる部品ではありませんが
経年劣化による摩耗は必ずあります。
設置環境により個体差は生じますが、おおむね12年前後を目安に
不具合が生じる前の交換を推奨します。
故障が発覚したときにすぐ交換をする場合でも、間違いではないですが
非常用発電機は停止ソレノイドを含む、補修部品はメーカーの設計が入っているため
蓄電池などの汎用品とは異なり、モデルチェンジにより補修部品の生産期間にも限りがあるため、15年以上経過をしている発電機(非常用発電機)の場合には
故障発覚時、部品が手に入らない=直せないなどの、不都合な状況が出てくる可能性もあります。
そのため、補修部品の供給が行われる間に、期待寿命を迎えた消耗部材を交換整備していくことを「予防保全整備」と呼びます。
故障発覚時の修理と予防保全に掛かるトータルの費用比較では
故障発覚後に修理を施す「事後整備」または「故障修理」に比べ
「予防保全整備」の方がトータルのランニングコスト(整備や修理に掛かる発電機導入後の費用)
は低いと言われます。
コストイメージ 故障修理>予防保全整備
理由として、先に述べた補修部品の生産期間内に安価で調達できることに加え
オイル交換や冷却水など1年毎に交換推奨される消耗品を長期間未整備状態にしていると、ラジエーター本体やエンジン本体などの摩耗劣化を早め、修理範囲が広くなることもひとつの要因となります。
湿気が多い環境や塩害(海風が吹く)が予想される地域では
錆による摩耗が進みやすいため交換周期はこれより短くなります。
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